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小林 雅明 / ミックステープ文化論 単行本

ここにも何度か書いているのですが、2000年代のある時期からヒップホップ(特にメインストリーム)について行けなくなって、このまま過去の名作なんかを聴いて余生を過ごしていくのかと思って迎えた2010年代に、主戦場がインターネットになったことを知り、恥ずかしながら再びヒップホップへ帰って参りました。

そこで見た光景はと言いますと数年前とは全く別の世界で、得体の知れない世界中の若者が、家のPCを使って仲間と作った熱量たっぷりの実質アルバムみたいな音源を、ミックステープという名前でフリーでバラ巻いて話題になっていたり、それに負けじとベテラン勢もフリーで出して話題になっていたり、有料販売されなかった作品がグラミーを取ったりという未来でした。

私がボーッとしている間にも、ミックステープと言う単語の意味は変化していっており戸惑いましたが、最近では販売されているのにもかかわらず随分経ってからデビューアルバムというものを出してみたりと、言葉の意味や解釈が曖昧になりすぎて更に戸惑うことがあります。慣れましたが。

そういったブランクを埋めるきっかけとなったのが、再び戻ってきた頃にタイミング良く発売された、音専誌(現Sound Dropsの佐藤さん:@sugakeyがやっていた)から出ておりました小林雅明さんの「ミックステープ文化論」で、変化するミックステープの実態を勉強させていただいたのですが、この度加筆というレベルをはるかに超えた5倍程度情報量を増加した内容になって、シンコーミュージックから発売されました。

年代も1972年~2018年までが範囲となっており、1972年に一体何が起こっていたのか非常に気になりますし、2018年最新の定義についても知っておきたいところであります。知識とユーモアに富んだ自分が一番好きなライターのひとり小林さんの文章で、ヒップホップの裏側にあるイリーガル気味な文化(ヒップホップもそんな感じするが)の歴史を辿れますので読んでみたいと思います。

過去のそういった文化に興味がある若者から、私のように一度脱落したがもう一度返り咲きたい人まで、是非手にとっていただけましたらと。




小林 雅明 / ミックステープ文化論 単行本

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内容紹介
2017年グラミー賞で最優秀ラップ・アルバムを授賞したのは
チャンス・ザ・ラッパーによる“ミックステープ”だった

業界大手をも動かし、さらにあの保守的なグラミー賞が受賞資格まで変えるとは!
そもそも、ストリーミング限定の作品で、テープでさえないのに“ミックステープ”とは?
ある意味“最もヒップホップ的”な文化であるミックステープ、世界初の専門書登場!

裏ヒップホップ史

「二つ目のミックステープを作って、それをネット上に無料で出したあと、自分の計画では、レーベルと契約して、その後で、自分の音楽について考えるつもりでいた。ところが、三大メジャー・レーベルとのミーティングを経てわかったのは、何かに囲い込まれなくても、自力で、自分の作品をベストな形でみんなに提供できるということだった。お金ならツアーや物販で稼ぐし、何かに取り組む場合にも、きっちりと実行していけば、既存のやり方に従う必要はないと、本気で考えている」
──チャンス・ザ・ラッパー(「はじめに」より抜粋)

■目次
はじめに

パート1
 1.ラップ・レコード登場以前
 2.クラブプレイからミックスショウへ
 3.ミックステープの完成〜『52 Beats』
 4.ブレンドでミックスキングに
 5.区切りの年、1991年

パート2
 1.エクスクルーシヴ
 2.ジ・オリジネーター
 3.ミックステープ・アウォーズと95年
 4.録り下ろしフリースタイル
 5.ミックステープの商業化
 6.殺るか殺られるか〜ドキュメンタリーとして
 7.コンピからアルバム型へ、DJからアーティスト主導へ
 8.セルフ・ブランディングのツールとして
 9.ニューヨーク以外の地域での興隆
 10.アンオフィシャル・リミックスとジェイ・Z
 11.ミックステープ発信体制の整備とフリーダウンロード

パート3
 1.ミックステープ・ゲームの強制終了
 2.ゲームの再起動とフリーダウンロード
 3.ヒット・シングルを生み出すミックステープ
 4.ミックステープの当たり年
 5.変化するフリーダウンロードへの認識
 6.ストリーミングで変わるミックステープの位置付け

おわりに

あとがき/出典一覧/索引


著者について
小林雅明(こばやし・まさあき)
群馬県生まれ、早稲田大学第一文学部卒業。主に映画、ヒップホップを中心としたブラック・ミュージック全般の執筆/翻訳を手掛ける。著書に『誰がラッパーを殺したのか?―ドラッグ、マネー&ドリームス』(扶桑社:1997年)、訳書に『ラップ・イヤー・ブック』(シェイ・セラーノ/DUブックス:2017年)、『ロスト・ハイウェイ(扶桑社ミステリー)』(デイヴィッド・リンチ/扶桑社:1997年)、『GODZILLA』(H.B. ギルモア/集英社:1998年)、『ローリン・ヒル物語』(マーク・シャピロ/扶桑社:1999年)『トリック・ベイビー 罠』(アイスバーグ・スリム/スペースシャワーネットワーク:2009年)、監訳書に『チェック・ザ・テクニーク ヒップホップ名盤ライナーノーツ集』(ブライアン・コールマン/小社刊:2009年)、など。

Buddy / Harlan & Alondra

昨年、ジャケットに惹かれて聴き始めたEP「Magnoria」の、西海岸的な気風やタイトで奥行きのある空気感にハマりまして、一体どんな人なんだろうか?と気になったのですが、調べてみればデビュー作にファレルが絡み(i am OTHER所属)、ケイトラナダとのコラボEPを出したりと、結構なシンデレラボーイ具合で、ただ私がチェックを漏らしていたということだったんですが。

そんな流れで先週発売されたアルバム「Harlan & Alondra」ですが、過去作のファレルともケイトラナダとも、Magnoriaを手がけたThe Futuristiksともまた違う、出身のコンプトンををリプレゼントしたような流麗な西海岸チューン満載のアルバムになっており、一気にパッとひらけた感じがします。友人からも聴いたかと連絡があったりと、ある意味昨日ポストしたジ・インターネットを凌ぐ驚きと興奮をもらっております。

今回のアルバムではゲストにGuapdad 4000、A$AP Ferg、Ty Dolla $ign、Snoop Dogg、Khalidという、無駄のない高バランスのゲスト選びが功を奏し、各参加楽曲がそれぞれ凄く良いものになっておりました。

プロデューサー陣もガラッと入れ替わり、ニプシー・ハッスルなどを手掛けるBrody Brown、 Mike N Keys、6LACKやポスト・マローンを手掛けるRoofeeoが大幅に起用されており、そこにビヨンセやシドの作品に参加するHazebanga、ドレイクの新作やケラーニ作品に参加するJahaan Sweet、ケンドリックのPoetic Justiceなどを手掛けたScoop DeVille、タキシードのJake Oneという西海岸マナーと世界標準みたいなのが合わさった構成。

ソングライティングには、ゲスト参加のアーティストや、テラス・マーティンやSIRなどがおり、ヒップホップというかR&Bというかとにかく大変聴き易いボーカルに、キラキラでブイブイしたトラックと合わさり、子供から女性、お年寄りまで楽める内容になっているかと思います。キャッチーさはありながらダサさはありませんので一度騙されたと思って聴いてみてください。

ちなみに、今回も家族写真みたいなジャケが最初に目に付き発見したのですが、その後すぐ家族や小さい子供に埋もれながらも主張するコンバースのハイカットとプリーツの入った紺色のパンツが目に入ってきて、やられてしまいました。ジャケは大事です。




Buddy / Harlan & Alondra

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The Internet / Hive Mind

昨日、文系人気ラッパーが芸能人(元アイドル)と交際している事実が公のものとなりまして、知っていた人も知らなかった人もこの話題をしており、二人のバランスの丁度良さや自然な感じからでしょうか祝福の言葉が多く、私も親心と言いましょうか(赤の他人です)本当に良かったし、また一つ喧嘩弱い系ヒップホッパーの地位を上げてくれたみたいな感じになっております。

明らかに男の趣味と分かるラップアルバムをインスタに次々投稿する様や、歌詞に彼女の存在をほのめかすところを作ったり、付き合っている事を少しずつ匂わせて行く様が、クラスの人に内緒で付き合っている2人みたいで可愛らしいなと、オッサンまで胸キュン(気持ち悪い)させてくる感じですよね。

一方、富豪とプライベートジェットで出掛けた、同じく20代の女優は一斉に攻撃されましたが、写真の彼女の素直に嬉しそうに見える表情を見て、同じ時期のロマンス発覚でここまで違うのかと気の毒になりました。お茶の間の好感度ってのはプライベートジェットに乗っていない風に振る舞ったり、お金は皆と一緒くらいしか持っていないという無理な設定でしか、維持できないのかと思うと本当に大変な仕事だなと。

とまあ、そんな話はどうでも良いんですが、先週末発表されました、楽しみにしていたThe Internetのアルバムを聴きまして、その感想なんかを書いてみたいと思うのですが。

グループ史上最もダンサブルなニューアルバムというのが書いてあるのを目にして、先行で公開された「Roll」(GAZのSing Singの定番ブレイクを使用した)が大分ディスコサウンドだったんで、全体的にそうなっているのかもなと思って聴いてみたのですが、私の印象としましては前作よりメローな楽曲が減り、ヒップホップ的なドラムが強調された楽曲が増えたのが一番印象に残ったところであります。

もちろん前述のディスコ風やその後公開された超夏っぽいラテン風味の「La Di Da」(最高)など踊れる曲もあり、陽な感じがする楽曲が増えた印象も。とはいえ今まで通りの雰囲気のメローな曲もありますし、良い感じで新旧が混在した形になっているかと思います。私だけかもですが、一曲目のイントロをイヤホンで一生懸命聴いておりましたら、ファーサイドのランニンのイントロで聴こえてくるような「チェケダン、チェケダン...」みたいなのが薄っすら聴こえてきまして、訓練された犬のようにそれ聴いただけで夏のアルバムだなぁと刷り込まれてしまいました。


個人活動が活発になり、それぞれがスタープレイヤーになってきて凄いことになっておりますが、そういった才能達がまたこうしてグループのアルバムに戻ってきて、前作から変化しつつ最良の作品を作るというのがずっと続くと良いなと。

あと、ここ最近日本でも話題となっているLGBTの問題ですが、現代の最前線で売れている音楽はこうしてレズビアンがメンバーいる事が普通の事として扱われ、またそれ自体をフックとしている訳でもなくて、リスナーたちもその後の世界に生きておりますので、日本でも早くくだらない偏見や差別を持つ人が居なくなって、皆が楽しく暮らせる社会になればなと。そういった意味でもジ・インターネットにはガンガン行って欲しいという思いも。




The Internet / Hive Mind

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DJ SP - WATCH THE SOUND VOL 1

アムステルダムのベテランDJ SPと人気アパレルPattaのコラボで、ゴールデンエラ期のヒップホップクラシックのミュージックビデオの数々をミックスに仕上げた映像作品。

随分久しぶりにこの手のブーンバップクラシックを映像付きで聴きましたが、めちゃくちゃくちゃ新鮮に感じちゃいまして、通勤時ブチ上がってしまった次第であります。

DITC、EPMD周辺、ギャングスターファンデーション、メインソース、ジュースクルー、NWA周辺、Eric B & RAKIMなどを、時折次の曲とブレンド状態にしてみたり、プレミアのスクラッチネタのところに繋げていったり、レッドマン行く前にメリー・ジェーン・ガールズの映像差し込んだりと趣向を凝らした作りですが、予想していたよりも疾走するようにスムースであっと言う間の1時間といった感じでした。

私的盛り上がりポイントは、オーガナイズド・コンフュージョンのストレスの雪山での裸&水色のフリース、Show Biz & AGのファットポケッツのデカイ軍服、MC Lyteの数曲、そして若き日のラージ教授の面(&佇まい)あたりでしょうか。やっぱり90年代は良いもんだなと。




DJ SP - WATCH THE SOUND VOL 1

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SP - WATCH THE SOUND VOL 1 from Patta on Vimeo.








DATO DUO

家の隣の公園で毎朝学校に行く前の時間に、小学生低学年と思わしき丸坊主の少年が、スポ根お父さんの熱のこもったノックによる守備練習をしているんですが、やはりこのおじさん(自分より若いかもだが)も子供に自分が叶えられなかった夢(甲子園、プロ野球)を託しているんではないか?と思ったりします。

朝から説教されているのを見て、自分だったら早々に反抗しているだろうなと思うのですが、音楽のことになりますと若干押し付けたいなという気持ちも無いこともないですが、最近だんだん自分の趣味を離れYOUTUBEで見つけた中田ヤスタカ仕事に夢中になっている子供達を見かけ、すでにコントロール不可能なところまで来ている可能性もあるなと。

ならば、おもちゃというキッカケからということも視野に入れ、現状習っているピアノの他に、ウクレレや少し前にここにポストした子供用シンセなんかも買い与えたりなんかして、ゆくゆくは米国の市場に...という、いつの間にか公園のノック親父のような目付きで妄想している自分がおります。

とまあ、常にこっちのペースに戻すべく、距離感をジリジリと詰めて行っている今日このごろですが、ネットを徘徊しておりましたら対面でやれるシンセ+シーケンスの機能を持ったおもちゃのような機材が出ており、ちょっと高額ですが一緒に遊べそうなので良いなと。

前述の以前ポストした子供用シンセは見た目が樹脂樹脂した感じで、トイザらスに売ってそうな見た目でしたが、今回は若干北欧の雰囲気すら漂うグッドデザインな感じ。これ下手したら、ハードオフでエレクトライブとか買ったほうが良いんじゃないかと思うような価格帯でありますが、直感的に触れる簡単さはこれに代わるものは無いでしょうしお互い協力プレイ(子供シンセ、親父シーケンスなど)も出来ますし、ここはタバコ、飲酒、風俗店を我慢していただきまして是非導入を検討いただけましたらと。




DATO DUO (輸入代理店 : 有限会社 福産起業)
アマゾンでも売っています

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「SUNNOVA / ARIKA666」 & 「ARIKA / 666」

以前もこちらに作品をポストしたことのあるSUNNOVAさんですが、6月にName Your Price(\0~)でフリーEPを公開しておりました。

最近のダラダラ聴く癖で、中々良いなぁと思いながらなんとなくずっと聴いちゃ休み聴いちゃ休みを繰り返しておりましたが、あれ?何か他に載っていなかったっけな?と思い出し、本日再びBandcampの掲載ページに行きましたところ、これはARIKAさんというイラストを描く人のエキシビジョン「666」に関係する音源だということを気付いた次第です。

6月6日(水)から 6月16日(土)の間に東京と千代田区のANAGRAで行われたそのエキシビジョンは、ARIKAさんがおよそ10ヶ月くらいの期間に666枚という大変な量の作品を描き展示するという、千本ノックみたいな企画でして、小さいながら一日3枚描くのは明らかに大変そうな描き込まれた作風で、重たいシルエットみたいなものからポップなキャラクターみたいなものまで、鉛筆で描いたモノトーンの作風がとても好みでした。(おぼろげな記憶ですが以前に見たことが...)

そのイラストの数々に合うような、アンビエント、エレクトロミュージックに寄せたヒップホップサウンドを中心にしていて、缶を叩いたような音や空間的な処理など、涼し気な要素が含まれており、暑い中でも気持ちよく聴けます。

特に自分が良いなと思ったところは、4、6曲目に現れる洗練された音色の男性ボーカルの声を使ったところでありまして、カニエ先生のイーザス発売の際衝撃を受けた、名曲Bound2のあの雰囲気の延長にある様な気がするのですがどうでしょうか。

とりあえず絵と音楽が合わさると、劇的に感じ方が変わったりして面白いもんだなと思いますが、こうして好きな感じと好きな感じが合わさっていると余計そう思います。




SUNNOVA / ARIKA666 (Name Your Price)
Twitter: @sunnova_jap

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ARIKA
Twitter: @Arika_kntraem

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この作品展が開催されることになった経緯


2017年8月

この企画はARIKAを含め数名の作家と吉祥寺で呑んだ時に半ば冗談で始まった

666枚描いて来年の6月6日にANAGRAで展覧会をするバカみたいでシンプルな思いつき

翌日彼から『あれだけ盛り上がったんだから責任取ってくださいよ』とメールが来た

だいたいざっくりと計算して毎日3枚くらいのペースで描いて行けば間に合うと僕はアーティストの
展覧会を企画する時できるだけ彼らに憑依して、お客さんをどう楽しませるかを考える

やるかやらないかはそれやってみたい、見てみたいと思うかどうかが判断の基準

ただでさえ無茶な企画なのに彼のスタイルは全然この企画に向いていない

手数は多いし、コンピューターに頼ることもできない

描いて終わりではなく定着剤で処理もしなければいけないしそもそも完成というのを見極めるのが
困難な作品が多い

そんな彼が毎日3枚の作品を仕上げ2018年の6月6日までに666枚の作品を描きあげる

まるで修行のような話だけれど僕は勝手にワクワクしていた

666枚描きあげるまでに一体どんなストーリーが待ち受けているだろう

描くということと生活するということが同意になり日常で得たナニカが新鮮なうちにアウトプットされる

意識が無意識に変わった時彼がどんな絵を描き始めるのか楽しみでしょうがない

僕らは定期的に雑談を交えて色々な経過を報告し合う

昨日も報告を受けた

僕が預かっていた最初に描いた100枚を目の前にしてサイズも内容も現在進行しているものとは全然
違うしこの時描けなかったものが描けるようになったという

そういう実感を得ることは実はすごく難しい

反復と工夫が必要だし見直すタイミングも重要だ

『何があっても続ける』僕の尊敬するアーティストが教えてくれた秘密

誰でもわかることだけど本当は一番難しいこと


ARIKAのずっと続けていることの、そしてこれからも続けていくことの途中がANAGRAの壁を隙間なく
埋め尽くす

この展覧会は東京で生活する25歳の芸術家のドキュメンタリー

生きていることで作品に全然関係ないことなんてひとっつもないという意思の表明


2018年4月某日某所

細野晃太朗



Arin Ray / Platinum Fire

昨日、長男の映画館デビュー(近所の文化会館でミニオンは見ていたのでシネコンデビューか)にジュラシック・ワールドの新作を見に行ったんですが、自分も初めて名古屋駅前の映画に友人と行った死霊のはらわた2の事をいまだに忘れていないので、これが一生残るし友達と話すことになるのかなと思いまして、はたしてこの映画で良かったのか?もっと強烈なインパクトを与える必要があったんじゃないか?など色々と考えましたが、まあ色々考えたってしょうがないよなとも。

暑さも来るところまで来た感じしますが、以前から気に入って聴いていたアルバムが夏本番に入って、余計良くなってきたみたいなのもいくつかありまして、3月に発売され出てからずっと定期的に聴いているこちらArin Rayのデビューも、最近増々良いなと感じることが多くなり、ツイッターのタイムラインで、どなたかの良いなぁ-と言っているを偶然見かけてスイッチが入りましてポストする運びに。

アルバムは繰り返しずっと聴き続けているのですが、曲とトラックリストで知る以外の細かいデータはほとんど知らなかったので調べてみたら、クリス・ブラウンやジェレマイの楽曲に関わったりしているという、シンシナティ出身でインタースコープに所属する22歳のシンガー兼プロデューサーということらしくて、若くて才能ある若者という事が分かり納得です。

YG、Ty Dolla $ign、SiR、Terrace MartinそしてDRAMといったように、LAでキャリアを積んだためかゲスト参加も西海岸ぽい人が多めでして、温暖な気候で作られた雰囲気の私好みのモッタリした楽曲が多め。

テラス・マーティン&自身プロデュースのの気持ちの良い1曲目から、ダ チーチーチーみたいなドラムがアクセントになった2曲目で掴まれて、途中にはYGのラップとモッタモタのトラックの組み合わせが最高に格好良い一番好きな7曲目やShoolboy Q、A$AP Rocky仕事を数多くこなすNez & Rioの楽曲が幾つか、そして最後再びのテラス・マーティン参加曲まで、何周しても飽きない素晴らしい構成&内容だと思います。

マービン・ゲイのI Want Youのフレーズが出てきたり、バスタ・ライムスのWoo Hah!モロ使いなど、おじさんもビックリなのが入っていたりするんですが、バスタのWoo Hah!も20年以上経過しているため自分たちがレア・グルーヴに新鮮さを感じていた様な感じで、若者は受け取っているのだろうかと気になっているのですが、周りにそういうのを聞く若者がいないという現実に気付き、久しぶりに友達(若い、もしくは若い人に精通した)ほしいなと思った次第であります。




Arin Ray / Platinum Fire

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2016年のEP



POOLS / POOLScast - Season 1 - Episode 1: (Razor-N-Tape)

朝起きて知ったんですが、フォロワー数の水増しするのを防ぐために(というか、もう既に増やしたのをリセットするためか)、偽のアカウントによるフォロワーを数千万規模で削除するとツイッター社から発表があったみたいですね。

フォロワーをお金で買っていた人達が急にハシゴを外されたり、キャプチャをとられてウォッチされていたりと、見てる方まで桃鉄やっていて急にツキが無くなる時の気分になりますね。ちなみに私は買った事無いはずなんですが、およそ100くらい減ってました。

夏本番が来ましたので、極力夏のミックスをポストしたいななんて思って、時間を見つけては色々手を出したりしているのですが、数年前のinnertubesで知って、毎夏の楽しみになっておりましたロサンゼルスを拠点に活動するThee Mike BとDJ Morse Codeの実力派二人(Do Overなどに出演してます。)によるユニットPOOLSのミックスが、昨年出なかったので(有った?)終了したと思っていたら今年出してきました。

恒例の遅-通常のダンスミュージック、チルなやつなどで構成された、暑い日のプールサイドが似合う選曲となっておりまして、トラックリスト見ますと、ところどころアルケミストやらピート・ロック、セスワンなどの名前も見かけ(自分はトラックリストで気付いた)、知らないうちにそういったものまで聴いているという感じでした。面白いですね。

さんざん聴いてきた「Robert Palmer - Every Kinda People」だって、この流れで終盤に出て来ると、あらためて本当に最高だなとなりました。もちろん時には自分たちの曲やエディット作品も入っており、いつも通りダラダラ流しっぱなしにするのに最適なナイスミックスであります。ダウンロードのリンクもありますのでBBQ、川、家、職場、車などでどうぞ。

リンク先のSoundcloudには過去のミックス音源の他に、本人たちがエディットしたダウンロードできる音源なんかも結構ありますので、DJ用の音源探している人も是非。

ジャケはこれ日本が誇るイラストレーターのあの方の、あの有名作のヤツ反転して使ってますかね。アルケミストの時もそうでしたが、日本人の作る外国のような夏のイメージを、アメリカ人が良いなと思っているところが面白いですよね。よくある海外のレコジャケの表紙まんま使う(いけないことではありますが)のと同等の価値観でこれを選んできているわけですから。




POOLS / POOLScast - Season 1 - Episode 1: (Razor-N-Tape)

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TRACK LIST:

Intro
Joseph Terruel - Unity (Paraiso Extended Mix)
Got Time For Love (danyb ReVision)
Letherette - On Video
Cleaners From Venus - Soul Monday
Romare - Come Close To Me (Live Session 1)
The Alchemist - Monnaie Instrumental
KiNK - The Universe In Her Eyes (Original Mix)
James Mason - I Want Your Love
Thes One & DJ Day - That Devil
Cody Currie - Retired Sky Cop
POOLS - Urrday Pool (Matpat Remix)
Harry Wolfman - The Rickest Rick
The Revenge - Voodoo Cocktail
Thatmanmonkz ft Nikki-O - Ooh Wee (Hamtramck Mix)
RATATAT - Supreme
Blu & Nottz - Yesterday (Instrumental)
JKriv - Era Um Era (JKriv Rework)
Bacao Rhythm & Steel Band - Dog Was A Doughnut (AZ DJ Melo Edit)
Pete Rock - We Roll (Instrumental)
HADE - Range Rover HSE (Original Mix)
Black Spuma - Hundred Fingers Man
Bob Sinclar - Phasing news
POOLS - Name
Tony Disco - Pinot Noir
Robert Palmer - Every Kinda People (Joey Negro Multicultural Multitrack Mix)
Patrick Cowley - The Runner
Leo Sunship (POOLS Edit 2)



自分が初めて知ったのはコレで、今聴いても最高であります。












トモトシ / 「tttv」 @中央本線画廊

この一ヶ月の内に見た何らかの作品の中で一番驚いた&笑ったのはトモトシさん(@tomotosi_)という方の中央本線画廊で行われた個展「tttv」の外観(これも作品の一部だと思います)であります。

画廊の正面にあるセブンイレブンの外観を撮影し、セブンイレブンのネットプリントで印刷し、セブンイレブンで買ったハサミと両面テープを使用し、セブンイレブンをコピペするというもので、恥を承知で言いますが凡人の私にはこの行為に一体どういったアートの意味が隠されているのかはよく分かっておりませんが、とにかく笑えるカットアンドペースト案件として、忘れられない強烈なインパクトを残したアート作品となりました。

近隣(全然店と関係の無い人)からの苦情や、警察からの指導があったりとかも見かけ、それがまた作品になるみたいなこと言う人も居たり、やたらと難しい言い回しでこのおかしな試みを評する人もいたりで退屈しませんでした。まあ苦情の件は自分も、世の中ってこんな冗談通じない感じなんだなと興味深く思いましたが。

後にセブンイレブンからの依頼により撤去ということになったようですが、セブンイレブンもこの面白く、ネットで人気者になれそうなおいしいビッグチャンス(挑発)に乗らず、顔色一つ変えず粛々と対処して役割を全うしている感じも良いですね。

まとめてあるところも特に無さそうだったので、詳しくはトモトシさんのツイッターのタイムラインを覗きに言って見たらいかがでしょうか。



トモトシさんのツイッター
ホームページ

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City Soul ディスクガイド 1970s-2010s / 小渕晃 (著, 編集)

古くは海外のUltimate Breaks & Beatsだったり、日本だとfree soul(suburban)やCALM / BOUND FOR EVERYWHERE、Relaxのコンピだったりと、人気コンピレーションやディスクガイドにて見立てがされて音楽が流行したり、新規ユーザーが入りやすいシーンを作ったりというのを度々見かけてきましたが、現在のような定額のストリーミングサービスが当たり前になった時代こそ、何か指標となるものがあると良いなと思いますし、効率よく自分の好きな音楽を見つけたいと思う人も多いでしょうから、それを補助する書籍の存在は昔と同じように重要なんじゃないかと思うのですが。

少し前に発売されたこのCity Soulという本のタイトルを最初に見た時、巷に溢れている2つのキーワードを足すという灯台下暗しな発明に驚き、このザックリしていてなんのことか分かる様な分からない様な、レンジの広さと言いましょうか懐の深そうな感じと言いましょうかに、上手いこと付けたもんだなと感心しました。

その後、旅行準備真っ只中に発売されたためすっかり忘れておりましたが、先日家に遊びに来た書店勤めの親切な友人が持ってきてくれて、中身を見せてもらったらとても良いディスクガイドでしたので。

以前こちらにもポストしましたHIP HOP definitive 1974 - 2017の著者であります小渕晃さんが中心となり、ソウルから始まりディスコ、R&B、ネオソウル、ポップスなどの美味しいところをピックアップした、バラエティ豊か(&旬)な執筆陣による50年分600枚のおすすめディスクを知ることが出来ます。

CD・レコード店にて情報を入手する事も、現在では一部の人達の文化になっており、我々が通ってきた音楽の布教活動は一体誰がしてくれるのだろうか?このままでは格好良い音楽を聴いているつもりが、ただのマニアおじさんになってしまうのではないか?年々音楽友達が居なくなっていくのだが...という複数の心配が常々付きまとっておりますが、感じの良い音楽を聴きたいという人達は昔と変わらず居て、数年に一度会社の若者(女性含む)とそういうやり取りをすることがあったりするので、そのいざというその時にこの本をパッと渡して布教活動がスマート且つ爽やかに出来るよう(パッとですよ、ネチネチしてはいけません)、一家に一冊(貸して戻ってこない事を想定し2冊...)置いといたら良いんじゃないでしょうか。




CitySoul ディスクガイド 1970s-2010s / 小渕晃 (著, 編集)


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<レヴュー執筆陣>
小渕 晃(元bmr編集長)
梶本 聡(ベイビー・レコーズ)
駒木野 稔(diskunion / Kissing Fish Records)
関 美彦(SUNDAY GIRLS)
高木 壮太(CAT BOYS / 井の頭レンジャーズ etc.)
高橋 一(思い出野郎Aチーム)
林 剛(R&Bジャーナリスト)
福田 直木(BLUE PEPPERS)

<インタヴュー>
冨田 恵一(冨田ラボ) ――マエストロに聞く、シティ・ソウルの成り立ちと鑑賞法
クニモンド瀧口(流線形) ――シティ・ポップ人気の立役者が、リスナー遍歴と音楽制作を語る
DJ JIN(RHYMESTER / breakthrough) ――ブギーとクロスオーヴァー。いまの最重要ムーヴメントを解き明かす
G.RINA ――人気再燃する80年代のソウル/ R&Bの魅力とその秘密とは?

<おもな内容>
1、1970~1974
ニュー・ソウルの時代:「洗練」「内省」「深化」
2、1975~1979
ディスコ、クワイエットストームとAOR
3、1980~1983
ダンス・ミュージック~ブギーの最初の黄金時代
4、1984~1987
打ち込みサウンドの発展
5、1988~1994
レアグルーヴ~サンプリング時代のシティ・ソウル
6、1995~2008
ネオ・ソウルと、クロスオーヴァーするポップス
7、2009~2018
ソウル+ポップス:00~10年代音楽のメインストリームへ


内容
50年分の「いま聴くべき600枚」を紹介。ヒップホップ以降の、世界の音楽ファンのスタンダードを1冊に!




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Spotifyのプレイリストも公開されているようです。

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