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インターネットの恩恵を受けたアーティストKOHHとマネージメントの新たな挑戦(MUSICMAN-NET)

この数年で日本語のラップをたくさん聴かない自分に興味を持たせてくれて、再び聴こうという気持ちにさせてくれたのがKOHHを知った時だったのですが(と5LACKもそうか)、そのプロデュースからマネージメントまで裏方として関わる活動のキーマンとも言うべき存在であります、318さんこと高橋良さん(@riversidemobb)のインタビューがMUSICMAN-NETというサイトに掲載されておりました。(VIA @takeyan_

日本のヒップホップをずっと追っている人たちにとっては、恐らくは当たり前のように知っている人だという認識でしょうが、私にとっては以前ツイッターのTLで、一般の人達の質問に答えているのが初めて見かけた時でして、あまりにも正直できっぱりした対応が面白くてそのQ&Aをとても楽しみにしておりました。その質問を読むと、この人がKOHH作品の制作にあたって大きい部分を担っているのかなぁととても興味をがあったので、こうしてインタビューが読めて少し嬉しいです。

インタビューの内容は、駆け出しから当時の考え方や仲間との活動、KOHHとの出会いと彼との仕事の仕方であったり、全て読むとおおよその関係性などが見えてきて、今までずっと気になっていたことが解消される内容でして、大きくKOHHに影響を与えているのが分かりました。

特に話されている内容の中で、万人受けしないと予想したアルバムに説得力を持たせるという発想のところや、考え方次第ではインターネット時代はある程度のところまでは平等にチャンスがあるという部分は、これから何か(音楽だけでなく)を世の中に出そうとしている表現者には大変重要な考え方ですので、今後参入予定の右も左も分からない若者の皆様も、是非音楽ビジネスの参考に読むとよろしいかと。



インターネットの恩恵を受けたアーティストKOHHとマネージメントの新たな挑戦
前半 / 後半

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最近の周辺の出来事としては、こちらのMixtapeが出たことでしょうか。

Yano - Yanocedez Benz

yano_Yanocedezbenz.jpg













DJ Friedz / Criminal Minded 30th Anniversary Mix

本日3月3日、日本では可愛らしい女の子のお祭りであります雛祭りですが、ヒップホップの男臭い野郎共にとりましては、歴史的名盤でありますBoogie Down ProductionsのCriminal Mindedの30年目のお誕生日でございまして、もうそんなに経ったのかと朝から驚いた次第であります。久しぶりにちゃんとジャケを見ましたが、写真から文字まで特にお金がかかった感じもありませんがめちゃくちゃ格好良いですね。

私の若い頃読んでおりましたヒップホップのディスクガイドでは、最重要盤として扱われることも多かったのですが、既にG-Funkや90’sのジャジーでメローなのを聴いてしまっていた90年代半ば頃(多分96年頃)の自分には、当時の印象はドラムがもの凄いドコドコしたスッカスカの曲に聴こえ、本質がまるで分からずちゃんと理解するまでに随分時間がかかった記憶があります。恐らく心底格好良いと分かったのはそれから数年先だったと。

このアルバムには、ダンスホールレゲエの要素を導入した、歴史的ヒップホップバトル(橋の件)が関連している、ギャングスタラップのプロトタイプになったなど、特別な要素が山盛りでありますが、低音質のドラムマシンで作り出したシンプルで叩きつけるような力強いビートと、後にラップティーチャーになっていくラップ巧者の若者のエネルギーが合わさった初期衝動みたいなものが、英語が分からない私にすらもショックを与えたのかなと思います。(まあ、随分時間はかかりましたが)

ケンカを仕掛けるタイミングの絶妙さ加減や、とても短い期間で録音され鮮度の高い内にデリバリーするという、現在インターネットに主戦場を移した若者のラップ・ミュージックにも通じる部分があり、どれだけ経ってもヒップホップの本質は変わらないなと。

とまあ、アルバム自体がクラシック過ぎて長くなってしまいましたが、その歴史的なアルバムをDJ Friedz さんが30周年記念でミックスしたものがありましたので。

初めて聴くなら、出来ればアルバムを聴くと良いと思いますが(今時Youtubeにもアルバムがフルであがっているか)、繋がっている分聴きやすくなっておりますので、とりあえずはこちらでも良いかと思います。無料ダウンロードもあります。



DJ Friedz / Criminal Minded 30th Anniversary Mix

bdp_criminalmindede30th.jpg









勢いがあり元気が出ます。






jjj / HIKARI

先週末、私達の好きそうな和洋アルバムが色々とリリースされまして、時間が限られるオッサンの俺&皆様は、嬉しさを通り越して処理しきれなくなっている人達もたくさんいらっしゃるかと。

私自身も家のしかも子供が居る前で、イヤホンを両耳して音楽を聴くなんて行為が許されているわけありませんので、バレないように片耳で聴きつつ、車移動の際にはアニメにしろという声を無視し、極小の音で薄っすら聴いたのを積み上げなんとかすべて一通り確認。

その後、家族が誰も起きていない日曜早朝に起き出して、最新のUSの人気者、アンダーグランドのトロ、人気バンド発のソロなどの競合を抑え選んだjjjさんの新アルバム「HIKARI」を3周程イヤホンで聴いてみました。

そもそも大胆なサンプリングと今日的なハイファイの組み合わせが面白く、ガッツのあるロックテイストからソウルフルでメローなもの、更には周辺では珍しいサウス以降のハイファイなハイハットを配したものまでと幅広く作れて、尚且つ本人のものだと一聴して分かる同世代のトラックメイカー達の中でも頭一つ出ている印象を持っていましたが、今作ではそれらを更に次のステージに上げた感じといいましょうか。

前作溢れそうな程ブイブイ鳴っていた若々しいキックは良い意味でスッキリし、もともと分離気味だったところが、更にクリアになりハイファイの中にローファイが埋まっているような感触をより一層感じられるようになり、眉毛が丸くなったようになんだか一段階大人になったのかな?と、心境の変化を予想しながら音の質感の変化だけ聴いているだけでも楽しい内容でした。

そんな本人作トラックの合間に、外部のトラックメイカー、ENDRUN、Aru-2、STUTSの曲が良い感じでアクセントとして差し込まれており、バランスを整えております。ラップ、歌の参加ゲストはSTICKY、KID FRESINO、鋼田テフロン、5lack、仙人掌、Emi Meyer、YOUNG JUJU、DJ SCRATCH NICE、そしてFla$hBackS(febb & KIDFRESINO)と、前作の驚くようなトリッキーさは無いもののカッチリしててコレはコレで良いでしょうし、Fla$hBackSの現在の状況報告会みたいなのも好きです。

今作を事前情報を仕入れず聴いたのですが、いきなり1曲目でヤラれてしまいこのアルバムはなんか良さそうだぞ!となりましたので、やはり一曲目はとても重要だなと。(7インチがカットされているのでシングル扱い曲か)
そんな一曲目「BABE」については、スタジオ石撮影による、香港の近代的な建物とノスタルジックなネオン街と男前jjjさんをクリアに映し出した、曲の雰囲気とかなりリンクしたMVも用意されており、この曲を特別なものにする大きな役割を果たしていると思います。ちなみに私は単純に映像が綺麗だからという理由で凄く好きです。




jjj / HIKARI

jjj_hikari.jpg




Track List (2Dcolvicさん参照)
01. BABE feat. 鋼田テフロン (Prod by jjj)
02. ELA (Prod by jjj & ENDRUN)
03. EXP feat. KID FRESINO (Prod by jjj)
04. COWHOUSE feat. YOUNG JUJU (Prod by jjj)
05. HPN feat. 5LACK (Prod by jjj)
06. PLACE TO GO (Prod by jjj)
07. ORANGE feat. STICKY (Prod by STUTS)
08. DJANGO! (Prod by jjj)
09. COLD (Prod by jjj)
10. SOUL (Prod by Aru-2)
11. MIDNIGHT BLU feat. 仙人掌, Emi Meyer (Prod by jjj)
12. 2024 feat. Fla$hBackS (Prod by jjj)
13. DANCE SHOES (Prod by jjj)

All Mixed By Illicit Tsuboi
Mastered By Rick Essig





ROCKASEN / Two Sides of

2000年に結成された千葉・栄町出身のヒップホップ・ユニットROCKASENが、本日無料のフルアルバム「Two Sides of」をリリースしました。

私はこのグループの過去作については聴いたことは無かったのですが、新加入したBUSHMINDさんの2015年のアルバム「SWEET TALKING」が好きで、出た当時結構聴いていたというのもあり、そのアルバムに参加していた人達のアルバムということでしたので、最初から少し期待した状態で聴きました。

明らかにブラック・ミュージックやヒップホップ外からのジャンルからも影響を受けているBUSHMINDさんの作風は知っておりましたが、元々のメンバーお二人もテクノ、ハウス、ハードコアという他ジャンルからの影響も受けたそうで(聴いた後に知った)、今作もヒップホップ以外のジャンルの要素(チル、アンビエント、エレクトロニカ、90’sハウスなど)がかなりの配分で入っており、終始TR-808の音を使っているのも印象的であります。

自分はヒップホップをトラック中心に聴くため、この段階でかなり満足しておりますが、ラップに関して自分が良かったことを上げてみますと、重心低めでザラッとしていてタイトな渋いラップと、声高めで恵まれた個性的な声質のラップが、うまく組合せた漫才コンビのようなバランスで(でぶとガリガリとか、キツネ顔とタヌキ顔とかみたいな)、家庭があってヒップホップに長く関わっている割りと自分と近い境遇の人達の言葉なのでスッと入ってきたというところでしょうか。

どうやらこのアルバムがより特別なものと感じてしまった理由としまして、音源のデータを消してしまったところから始まったという経緯があるということです。もう少しどういう状況だったのか知りたくなりました。




ROCKASEN/ Two Sides of

※ Ototoyでもダウンロード出来ます

rockasen_towsidesof1.jpg

rockasen_towsidesof2.jpg




Produced & mixed by BUSHMIND
*Produced by ISSAC & BUSHMIND
Mastered by NAOYA TOKUNOU
Artwork by WACKWACK







-- 『Two Sides of』 Liner Notes by Yu Onoda --

日本語詞では、明るく楽しい汽車の旅について歌われているアメリカ民謡「線路はつづくよどこまでも」。その原曲「I've Been Working on Railroad」は歌詞の内容が大きく異なり、鉄道施設工事に従事する人夫が歌う労働歌となっている。このねじれた構造が図らずして映し出す世界の二面性や表裏一体性。喜びと悲しみ、夢と現実……そうした要素こそが音楽に深みやリアリティをもたらし、聴く者の心を揺らす。では、約7年ぶりのアルバムに『Two Sides of』というタイトルを付けたROCKASENにとっての二面性とは何を指すものなのだろうか。

2000年に結成された千葉・栄町出身のヒップホップ・ユニット、ROCKASEN。ラッパーのTONANとビートも手掛けるISSACは、FUTURE TERRORやRAW LIFEといったパーティでの衝撃的な音楽体験に触発され、ヒップホップシーンから飛び出すと、テクノ、ハウス、ハードコアといった広義のストリートミュージックに開眼。2008年にEP『LONGTIME SHORTCUTS』、2010年の前作アルバム『WELCOME HOME』で脚光を浴びるも、その後、数々の目覚ましい客演曲を残しながら、長らく自身の作品を完成できずにいた。

その間、家庭を持ち、日々働きながら、限られた時間のなかで音楽に大切な何かを見出し、言葉を紡ぎ、グルーヴを生み出そうと試行錯誤を重ねてきた彼らだが、2015年に彼らを長らくサポートし続けてきたビートメイカーのBUSHMINDがグループに正式加入。個性やアプローチの異なるTONANとISSACが、ラッパーとして解き放たれたことで、先鋭的なトラック上でヒップホップとダンスミュージックを自由に行き来し、希望と葛藤、喜びと悲しみをエモーショナルに、そして、圧倒的なスキルによって歌い綴ることで、ヒップホップを用いた新たな音楽表現を鮮やかに切り開いてみせたのが、待望の最新作『Two Sides of』だ。

決して若くはなく、現行の音楽シーンとの太いリンクも失った彼らが、名声や金に脇目も振らずに行った純粋にして音楽的なトライアル。その制作終盤には、誤って音源を全消去してしまうというアクシデントにも見舞われたが、データ復旧を経て、エンジニアの得能直也がマスタリングを手掛けたロストテープの体裁でリリースの運びとなった。ヒップホップシーンにおいて、キャリアを重ねたラッパーのサバイバルに対するファイン・アンサーは見いだせていないが、喪失から再生へと転じたROCKASENが決めた覚悟は、しなやかで揺るぎなく、どこまでも続くビート上でラップの飽くなき可能性の追求が今後も引き続き行われることになるだろう。









Nas's Illmatic / マシュー・ガスタイガー (著), 高橋芳朗 (監修), 押野素子 (翻訳)

2014年の20周年には、映画「Time is Illmatic」の公開やIllmaticセットのライブも行われるなどそれはそれは盛り上がり、その後はヒップホップアルバム20周年が乱発されるようになりましたが、それを見る度にやはりイルマティックほど特別なアルバムは無いのだなぁと思う次第であります。

そんなヒップホップアルバムのアニバーサリーブームがなんとなく続く中、アニバーサリーから随分経過しましたが、Nasのイルマティックがどのように生まれたかを解説した本が和訳され本日(2017年1月30日)発売に。内容はまだ見ていないのでアマゾンの短い商品説明を見てポストしておりますが、映画で語られていた当時の環境なんかとはまた違って、細かくリリックの読み解きなどがあったりするんでしょうかね。とにかく一度読んでみたいです。

一昨年あたりから盛り上がっている日本でのラップバトルの様子を見ていると、このあたりからエミネムの8マイルくらいの感じに影響を受けている人が多いのかなと(そのあたりについては最近読んだ靴底さんのこの記事が面白かったです)、リリカルなスタイルの源流を感じるところがありますので(というか、私自身英語分かってないので雰囲気的に感じるというレベルで)、日本語のラップしか聴かない人にも良いかと。



Nas's Illmatic / マシュー・ガスタイガー (著), 高橋芳朗 (監修), 押野素子 (翻訳)

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内容紹介:アマゾンより
今なお語り継がれるヒップホップの歴史的名盤『Illmatic』は どのように生まれたのか?

1994年、20歳の青年がリリースした1枚のアルバムが、ヒップホップ・シーンに革命を巻き起こした──。時代を超越した名盤、NAS『Illmatic』制作の秘密に迫り、アルバムを深く理解する手助けとなる書。

NASは自分が育ったクイーンズブリッジ団地を「黒いネズミが大量に閉じ込められている迷路のような建物」(〈N.Y. State of Mind〉より)と形容し、日々の生活を「いつ死んでもおかしくない状況」(〈Represent〉より)と諦観しているが、そんな一切の希望が見出せないような閉塞した環境に身を置きながらも、そこが社会から隔離された孤島などではなく「世界」と地続きになっていることを、音楽を通じてリアルに実感できていたのだろう。(監修者・高橋芳朗/解説より抜粋)

【著者】
マシュー・ガスタイガー(Matthew Gasteier)
『ボストン・フェニックス』や『プリフィックス・マガジン』等、数多くの媒体に寄稿。ボストン在住。

【翻訳者】
押野素子(おしの もとこ)
翻訳家。青山学院大学国際政治経済学部卒業後、レコード会社勤務を経てハワード大学ジャーナリズム学部卒業。現在はワシントンD.C.在住。訳書に『ヒップホップ・ジェネレーション [新装版]』(リットーミュージック)、『ファンクはつらいよ ジョージ・クリントン自伝 バーバーショップからマザーシップまで旅した男の回顧録』(DU BOOKS)、『JB論 ジェイムズ・ブラウン闘論集 1959-2007』(スペースシャワーネットワーク)、『マイケル・ジャクソン:メイキング・オブ・スリラー』(スペースシャワーネットワーク)など多数。著書に『禁断の英語塾』(スペースシャワーネットワーク)がある。

【監修者】
高橋芳朗(たかはし よしあき)
1969年生まれ。東京都港区出身。ヒップホップ誌『blast』の編集者を経て、2002年からフリーの音楽ジャーナリストに。エミネム、ジェイ・Z、カニエ・ウェスト、ビースティ・ボーイズらのオフィシャル取材を行う傍ら、マイケル・ジャクソンや星野源などのライナーノーツも多数執筆。共著に『ブラスト公論~誰もが豪邸に住みたがってるわけじゃない[増補新装版]』(シンコーミュージック)や 『R&B馬鹿リリック大行進~本当はウットリできない海外R&B歌詞の世界~ 』(スモール出版)などがある。2011年からは活動の場をラジオにも広げ、『高橋芳朗 HAPPY SAD』『高橋芳朗 星影JUKEBOX』『ザ・トップ5』(すべてTBSラジオ)などでパーソナリティを担当。現在はTBSラジオの昼ワイド『ジェーン・スー 生活は踊る』の選曲も手掛けている。






Nasの弟(いまだ危なっかしい)が見どころ




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