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小林 雅明 / ミックステープ文化論 単行本

ここにも何度か書いているのですが、2000年代のある時期からヒップホップ(特にメインストリーム)について行けなくなって、このまま過去の名作なんかを聴いて余生を過ごしていくのかと思って迎えた2010年代に、主戦場がインターネットになったことを知り、恥ずかしながら再びヒップホップへ帰って参りました。

そこで見た光景はと言いますと数年前とは全く別の世界で、得体の知れない世界中の若者が、家のPCを使って仲間と作った熱量たっぷりの実質アルバムみたいな音源を、ミックステープという名前でフリーでバラ巻いて話題になっていたり、それに負けじとベテラン勢もフリーで出して話題になっていたり、有料販売されなかった作品がグラミーを取ったりという未来でした。

私がボーッとしている間にも、ミックステープと言う単語の意味は変化していっており戸惑いましたが、最近では販売されているのにもかかわらず随分経ってからデビューアルバムというものを出してみたりと、言葉の意味や解釈が曖昧になりすぎて更に戸惑うことがあります。慣れましたが。

そういったブランクを埋めるきっかけとなったのが、再び戻ってきた頃にタイミング良く発売された、音専誌(現Sound Dropsの佐藤さん:@sugakeyがやっていた)から出ておりました小林雅明さんの「ミックステープ文化論」で、変化するミックステープの実態を勉強させていただいたのですが、この度加筆というレベルをはるかに超えた5倍程度情報量を増加した内容になって、シンコーミュージックから発売されました。

年代も1972年~2018年までが範囲となっており、1972年に一体何が起こっていたのか非常に気になりますし、2018年最新の定義についても知っておきたいところであります。知識とユーモアに富んだ自分が一番好きなライターのひとり小林さんの文章で、ヒップホップの裏側にあるイリーガル気味な文化(ヒップホップもそんな感じするが)の歴史を辿れますので読んでみたいと思います。

過去のそういった文化に興味がある若者から、私のように一度脱落したがもう一度返り咲きたい人まで、是非手にとっていただけましたらと。




小林 雅明 / ミックステープ文化論 単行本

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内容紹介
2017年グラミー賞で最優秀ラップ・アルバムを授賞したのは
チャンス・ザ・ラッパーによる“ミックステープ”だった

業界大手をも動かし、さらにあの保守的なグラミー賞が受賞資格まで変えるとは!
そもそも、ストリーミング限定の作品で、テープでさえないのに“ミックステープ”とは?
ある意味“最もヒップホップ的”な文化であるミックステープ、世界初の専門書登場!

裏ヒップホップ史

「二つ目のミックステープを作って、それをネット上に無料で出したあと、自分の計画では、レーベルと契約して、その後で、自分の音楽について考えるつもりでいた。ところが、三大メジャー・レーベルとのミーティングを経てわかったのは、何かに囲い込まれなくても、自力で、自分の作品をベストな形でみんなに提供できるということだった。お金ならツアーや物販で稼ぐし、何かに取り組む場合にも、きっちりと実行していけば、既存のやり方に従う必要はないと、本気で考えている」
──チャンス・ザ・ラッパー(「はじめに」より抜粋)

■目次
はじめに

パート1
 1.ラップ・レコード登場以前
 2.クラブプレイからミックスショウへ
 3.ミックステープの完成〜『52 Beats』
 4.ブレンドでミックスキングに
 5.区切りの年、1991年

パート2
 1.エクスクルーシヴ
 2.ジ・オリジネーター
 3.ミックステープ・アウォーズと95年
 4.録り下ろしフリースタイル
 5.ミックステープの商業化
 6.殺るか殺られるか〜ドキュメンタリーとして
 7.コンピからアルバム型へ、DJからアーティスト主導へ
 8.セルフ・ブランディングのツールとして
 9.ニューヨーク以外の地域での興隆
 10.アンオフィシャル・リミックスとジェイ・Z
 11.ミックステープ発信体制の整備とフリーダウンロード

パート3
 1.ミックステープ・ゲームの強制終了
 2.ゲームの再起動とフリーダウンロード
 3.ヒット・シングルを生み出すミックステープ
 4.ミックステープの当たり年
 5.変化するフリーダウンロードへの認識
 6.ストリーミングで変わるミックステープの位置付け

おわりに

あとがき/出典一覧/索引


著者について
小林雅明(こばやし・まさあき)
群馬県生まれ、早稲田大学第一文学部卒業。主に映画、ヒップホップを中心としたブラック・ミュージック全般の執筆/翻訳を手掛ける。著書に『誰がラッパーを殺したのか?―ドラッグ、マネー&ドリームス』(扶桑社:1997年)、訳書に『ラップ・イヤー・ブック』(シェイ・セラーノ/DUブックス:2017年)、『ロスト・ハイウェイ(扶桑社ミステリー)』(デイヴィッド・リンチ/扶桑社:1997年)、『GODZILLA』(H.B. ギルモア/集英社:1998年)、『ローリン・ヒル物語』(マーク・シャピロ/扶桑社:1999年)『トリック・ベイビー 罠』(アイスバーグ・スリム/スペースシャワーネットワーク:2009年)、監訳書に『チェック・ザ・テクニーク ヒップホップ名盤ライナーノーツ集』(ブライアン・コールマン/小社刊:2009年)、など。

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