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「Kanye West / YE」 & 「Pusha T / DAYTONA」

先々週からヒップホップ界は大カニエ週間(Pusha Tのリリースも含む)に入りまして、同時にリリースした人達がこのスキャンダラスで先進的な作品の砂埃に巻き込まれ存在が薄くなっているような状況にも見えなくもなく、さすがはカニエだなというのがまず最初の感想であります。

トランプ支持の件から始まり、奴隷制は選択肢だった発言など、一体どうなってんだという非難が集まっておりましたが、それもこれもアルバムでいったい何を語るのか、まてよこれは炎上商法か、いや病気かもという、今回もまた待ちに待ったアルバムという流れを作り出すところがまあ凄いところですよね。

まず特攻隊長Pusha Tのリリースが先行してあり、亡くなったホイットニー・ヒューストンの自宅の荒れたバスルームの写真(900万円程度)をカバーに使用し(カニエがとなっていますね)、ドレイクに結構な攻撃を仕掛けるなど(これはプシャT)話題を独占したところで(人道的にどうなんだという批判を多く見かけた)、さらに畳み掛けるように軍団の御本尊がリリースということで、嫌でも注目が集まっておりました。

曲数はどちらも7曲ずつと少なめでEPのような作りでして、まずPusha Tの方は、全面的に制作に参加したカニエが、彼のリリース毎に期待しておりますあの奇妙キテレツな要素と最新のモードを盛り込み上手いこと作ったという感じで、そこにいつもどおりのネチネチしたラップが乗るんですが、一曲目からあまりに格好良すぎてぶっ飛ばされました。ドラックディーラー出身で現在レーベル社長という立場で、あの猛烈にネチネチした口調で追い込みをかけるなんて、日本の企業だったら即日記者会見レベルの経済893感ビンビンで恐さ満点。

英語が分かる方々の内容についての辛辣な意見も多々見受けられる中、あまり情報を入れず(なんか揉めているという情報を知った程度)に聴いたため、良くも悪くもラップの内容以外をすべて純粋に受け止めた結果、めちゃくちゃ格好良い音楽だなというふうにしか感じられず、こういうこと正直に言って良いのか分かりませんが、まあでも最高だなと思ってしまいました。カバーの写真とかは普通に悪趣味で嫌ですが。何も面白く無いです。

そして、翌週のカニエはメローなトラックが多く、これまた絶妙なカット位置のサンプリングを要所に配した、私程度の人間でもわかる程のちょうど良い先回り感で、良いところに落としてくるバランス感はやはり凄いもんだなと。シンガーの参加が多いというのもありますが、いつもよりエモーショナルにそして意味有りげに聴こえるのは気のせいでしょうかね。(プラシーボだろうか)
実際、分かりもしないのに分かったように書くのもアレなんで、結局音の組み合わせや印象なんかの話になってしまうのですが、まあそれでもやはり内容を聴けばなんとなく空気感は伝わります。

どちらのアルバムもなんですが、どちらかと言うとオーセンティックなヒップホップの形式をとっている感じがしますが、それを新しいものとして聴かせることに成功しており、こういう普遍的なものにフレッシュさを与えるのが1番難しいかもなと思いますし、その空気感を作り出すことに長けたカニエはやっぱり凄いもんだなと感心した次第です。

何週かしたあとこちら池城さんの「YE」の全曲解説(面白かった)を読み勉強させていただきましたが、自殺願望告白からキム・カーダシアンを試しているという話まで、歌詞も歌詞でカニエ節全開のようですね。

ちなみにこの2作品、最初はPusha Tのほうが好きかなと思っていたんですが、交互に行ったり来たりを繰り返しているうちに同じくらい好きになりまして、セットで出したものじゃないかと思うような相性の良さ。まあ、どっちもカニエ作なんで当たり前ですが、サウナ→ 水風呂→ サウナ→ 水風呂...のように、エモーショナル → ネチネチ→ エモーショナル→ ネチネチ...を楽しんだらよろしいかと。チーム戦でアルバム出してくる感じがまた新しいっちゃ新しいのか。




Pusha T / DAYTONA

pushat_daytona.jpg






Kanye West / YE

kanyewest_ye.jpg











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