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Frank Ocean / 「Blonde」 & 「Endless」

出る出ると言いながら世間に肩透かしを食らわせ続けてきたフランク・オーシャンが、週末遂にアルバムを発売しました。
私の中では出ることよりもどれだけ出ないかを楽しんでいるところがあり、もうそれを楽しみむことが出来ないのかと、少しさびしいところもありますが、出た内容がとても良かったのでそういう気持ちも吹き飛んで、妹夫婦たちと一緒に買い物に来ているにもかかわらず一日中片耳にイヤホンを入れたまま、子供たちの面倒を見ているフリをしながら体に叩き込んでいる状況になっております。

驚いたことに、超シュールで内向きな映像付きアルバム「Endless」(ジェイムス・ブレイク、アルカ、ジャズミン・サリヴァン、オンマス・キースら参加)をいきなり発売したその翌日に、本題ともいうべき「Blonde」を発売するというサプライズのネスト構造に、更にポップアップショップで出たフィジカルは内容が違うという、もう普通に落ち着いて聴かせてくれない雪崩のような展開にヘトヘトでございますが、何にしましても2つとも大変素晴らしく、今年を代表するアルバムになることは間違いない内容だと思います。

ちなみに従来のスタイルを引き継いだ(やや内向きになってきてる気も)感のある本線?「Blonde」のほうですが、Beyonce、Kendrick Lamar、Yung Lean & Austin Feinstein、André 3000、SebAstian、James Blake、Kim Burrellという横綱級ゲストも参加していますが、Beyonce、Kendrick Lamarなどはいるのかいないのか分からないほどの使い方で面白いですし、あとYung LeanとAustin Feinsteinが参加した7曲目のようなアコースティックなのや、13のようなカーペンターズのカバー(トラックが凄い格好良い)などザッと聴いただけでも良い曲が満載です。全てフランク・オーシャンカラーに統一されているものの、バラエティ豊かで飽きずに長持ちしそうな内容となっております。

表記は「Blonde」なのにジャケは「Blond」になっておりよく分からない事になっていたり、ウィキペディアにはプロデューサーの名前が表記されていないなどまだ謎な部分が多いだけに今後も色々情報出てきて面白そうです。あと、以前のBoys Don't Cryだと思っていた頃のオレンジ色(前作、前々作からの縛り)のタイプライターとビッグポニーの短パンのジャケが好きでしたが、今のもまあ嫌いでもないのであれですが、しかし日本の某ヒップホップ誌(廃刊)のような見た目だなと。

更にとても驚いた情報としましては、今の日本のシーンで一番勢いのあるKOHHとLOOTAが、ポップアップショップ用のリミックスと思わしき「Nikes」に参加しているということ。どういう経緯で参加したのかもっと知りたいところですが、とにかくまず「凄いな」といった感じです。

音楽・ファッションの先端情報を発信する注目のウェブメディア「FNMNL」にて、「KOHHも客演したFrank Oceanの無料配布ZINE『Boys Don't Cry Magazine & Album』の中身に迫る」という記事が上がっており、この週末の流れを詳しく書いてくれておりますので、そちらを併せて読んでみると良いんじゃないでしょうか。

暑い中でホームから遠くの人をや景色を眺めても、冷房の効いた車内から海を眺めても、どんな景色もなんか特別良い感じに見えてくるのはプラシーボでしょうか。とにかくこの夏の終わりにピッタリな内容だと思いますので、皆様是非。



Frank Ocean / Blonde

fo_blonde.jpg

NikesのMV凄く良かったです。




Frank Ocean / Endless

fo_endless.jpg






振り返ってみますと、初めての出会いはタイラーのSheに参加していたのを聴いた時でして、最初はその独特な歌い方が気持ち悪い(元々PVも気持ち悪いからというものある)と思ったもんですが、それまで大幅にブランクが有っての突然の新世代だったので、最新の格好良いものはこういうもんなんだと思うようにしてソロ作を聴き続け、その後のChannel Orangeの時には違和感どころか唯一無二の特別な存在になっていたという記憶であります。

それまで自分がR&B歌手の普通だと思っていた、黒人音楽基準での上手さだったりはあまり感じなく、別ジャンルからの影響とも思えるオルタナティブなスタイル、そして独特のアジのある切ない雰囲気(英語がわからないので本当に切ないかは知らん)が特徴であり、そこに自分が好きな部分があったりしますが、あの気持ち悪いと思った時、なんとか心をオープンにしてフランク・オーシャンの音楽に接して本当に良かったと、この作品が出て引っかかりなく受け入れて聴けている今思ったりします。





Boys Don't Cry Magazineの中身が少し見れます。








こっちのジャケのが好きだ。

fo_blonde2.jpg









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