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「Nas / Nasir」 & 「The Carters / Everything is Love」

Nasがカニエと組むという事で、もしかしたら何かが起こるのかもしれないという期待なんかもあり、少しワクワクした気持ちで今回のアルバムに臨んだところもありましたが、よく考えれば既にジュクジュクに熟しきって浜崎あゆみみたいなサングラスをかけてそうなイメージのNasが、デビューしたばかりの頃のフレッシュさと同等、それ以上でラップができるかという点において、英語が分からないため自分の基準から全く外して考えており、そういうところが伝説になるために一番重要なところだよなと途中で気付きまして、またしても英語圏外の自分を呪っております。

発売直前に試聴会(近隣の住民からの、めちゃくちゃ怒ってる文句のツイートなんかもあった)などを行い、私もYoutubeにかじりついて見たのですが、中にはかなりぶっ飛んだトラック(スリック・リックのChildren’s Storyを使ったCops Shot The Kidに驚きました)や中毒性の高いトラックなどもある、サンプリング感の強いトラックが中心の、とりあえずベテランのNasも、そして7曲アルバムシリーズの3作目となるカニエにも、どちらにも良かった内容になったように思いました。

と思いきや、さすがはカニエと言いましょうか、THE ARCHITECTさんという人の作品のトラックや、カバーアートがパクりなんじゃないかという疑惑が流れてきまして、一体どういうことなのかよくは分かっていませんが、増々目が離せない状況になったなといったところでさらに被せるように、元Nasの天敵で現在カニエの天敵となっているBeyonce & Jay Z夫妻のコラボアルバムがサプライズ投下されるという状況で、やはりスキャンダルの中に生きている男らしく、Nasを媒介してぼうぼうに燃えておりさすがだなと。



Nas / Nasir

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そのやや意地悪な戦略のビヨ&ジガ組のThe Cartersの方はと言いますと、先行で公開されたファレルのトラックでMigosがソングライターとして参加した、モロにミーゴスカラオケみたいなAPESHIT以外の曲も、サウス以降のハイハットを絡めたトラックが入っており、トレンドにまあまあ乗っかりながらビヨンセ的な味付けを忘れずオリジナルになっている印象であります。プロデュース陣はCool & Dre、Pharrell、Boi-1da、Dernst "D'Mile" Emile II、Jahaan Sweet、Vinylz、!llmind、David Andrew Sitekそして本人達と新旧ユニーク。

内容はこちらも良かったのですが、こちらはこちらで作品とは関係ないですが羽賀研二&梅宮アンナを彷彿とさせる誰得ヌードで、え!?となりましたし、先発のビデオでのビヨの世界観に入るため?にか、突飛な洋服を着て落とし所の見えない髪型で頑張るJay Zの姿を見ておりますと、再婚後の加藤茶を思い出させ胸がやや苦しくなります。

ビヨンセ一人で出てくる時は特に何も感じないのですが、ここ最近の旦那と一緒に出てくる時に勝手に感じてしまうマウント感にやや疲れ気味でありまして、年々増す彼女の生命力の強さみたいなのが今後Jay Zも、そして私自身も受け止められるのか心配であります。



The Carters / Everything is Love

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とまあ、結局音楽は新しい事をやっていて充分良いのは2作共における共通事項ですが、それ以外の話題作りやトラブルや攻撃など沢山色々なことがあり、面白いような疲れるような。今朝のXXXTENTACIONが銃撃で亡くなったの件もですが、スキャンダラスなのもほどほどにしとかないと大変なことになりますから。ご冥福をお祈りします。


KIDS SEE GHOSTS(Kanye West & Kid Cudi) / KIDS SEE GHOSTS

Yeezusでは、ヒップホップ史上最高とも言えるキメキメっぷりでスーパーナルシスト感と、だいぶ先に行ってる感を見せつけられ、その次のTLOPでは一度出したアルバムをどんどん変更しなんでもありか!と驚かせといった感じで、ガンガンヒップホップの未踏ゾーンを攻めていく暴走車というキャラクターを保持したまま今回の流れに来ているわけですが。

先に出た本人、そしてプシャTのアルバムは、ドラゴンボールのアレのようなまるで人格を二つに分けた様な、悪カニエと善カニエみたいに見えて、じゃあ次はどうなるんだ?と、友人との間でもホットな話題として話しておりましたが、Kid Cudiとのアルバムなんで基本的にその色が強くなった印象で、予想通り先発の2作とはまた違い、自分的にはYeezus的なものをやや感じる(あれより緩い感じしますが)内容でした。

4が大事な数字といわれるビヨンセに対し、現在7へのこだわりで攻めていっているカニエさんですが、知ってか知らずかその曲数の少なさゆえに、集中の続かなくなっているオッサン(私)に見事フィットしているという、まさかの丁度良さになっております。

この次のリリースはNASとのですが一体どうなるんでしょうかね。もしかしたらNASにかかったファーストの呪いを解き放つのがカニエになるのかとても楽しみです。最近ニュース見ましたが建築も始めているようですし、本当に何をし始めるか分からなさ凄いもんだなと。




KIDS SEE GHOSTS(Kanye West & Kid Cudi) / KIDS SEE GHOSTS

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KODE / KCDに訊くオールドスクール・ファッション史 & 対談

ヒップホップ系の洋服ブランドと言えば、一昔前ならその時のトレンドのサイズ感だったり、リッチに見えるような装飾だったりという、現行モテを意識したコッテリ大味なテイストが好まれた(私は好んだ事ないですが)ものですが、ここ最近はストリートブランド的な要素のあるものが主流になっているような気がします。

そんな中で、特にオタク度、冗談のレベル、ヒップホップレジェンド達との接触・貢献度、リスペクト度がダントツに高く、ユニークさとデザイン性と、独自性で群を抜いていると思うのは、日米(東京&ブロンク)にそれぞれスタッフがいるBBP(2003年発足)でありまして、日本的な冗談やトリビアを絡めたアイテムから、新しい事に昔を盛り込んだもの、若いラップグループのオフィシャルグッズまでといつも楽しくて完成されたプロダクトを発表しております。

そんなBBPのメインデザイナーを務めるKCDさんと、インタビュアーの東京ブロンクスさん、そして黄金期のヒップホップカルチャーに影響を受け発信する次世代、Yo!Bros ProのPanzoさんによる対談がとても大変面白かったです。(全3回)

NYでのヒップホップの勃興からオールドスクール~現在までの情報に詳しく、また東京のヒップホップの黎明期を体験したKCDさんの、その時の時代背景やトレンド、そしてインターネットで均一化される前の地域性を交えた話がとても面白く、音楽という側面以外の所からヒップホップカルチャーを知ることのできる内容となっております。

中にはアメリカに渡った時に経験した事や、国内での少数のヒップホップコミュニティーの中で感じたり経験した(HFさんからMUROさん、そしてHIPHOP最高会議の千葉さんまで)、貴重な当時の話が盛り込まれ、日本におけるヒップホップ話の聴いたことのなかったところを知れます。諸先輩方の中には初老一歩手前の方々も多く、早くして亡くなる方々も出てきておりますので、なるべく早く東京や日本のヒップホップの昔話を、様々な高齢Bの方々に聴いとかなければならない状況だと感じますし、シリーズとして続くと良いなと。

印象に残った文章としまして、
「例えば今エイサップがバレンシアガを普通に着ているのとはやっぱりちょっと違うんじゃないかと。もともとそんなに価値がないものを着方や工夫によって良いとさせてたのがヒップホップファッション。あと、基本的にちょっとダサい、洗練されすぎない部分はエッセンスとして重要だと思う」
というのがあり、現在進行系の本当にお金を持ってしまった人達との、ヒップホップ観の違いみたいなものを語っているところでしょうか。また、地域性で着ている服の様子が違ったりのところも。

私もハイブランドを着るエーサップ・ロッキーを格好良いと素直に思う気持ちと、見せびらかしの文化を超え板に付いているのは理解でき、ヒップホップ自体もそういうものになったという事は認めたい気持ちがある反面、なんだか偽物が好きだったり、洗練され過ぎたものを避け気味だったり(自分に似合わないというのは大きいが)という価値観みたいなのが90年代からやや残っているところがあり、複雑な心情だったりします。

UKのグライムにおけるファッションや、ギャングスタラップの作業着とバンダナみたいな地域性を見ておりますと、やれないことも無いのかなと思いますが、形成されるまでにとても時間がかかったりするでしょうしインターネットで世界の価値観が均一化されているため容易ではないですが、日本のヒップホップを国内外に売り出していく事においても大変重要な要素だとも感じます。たとえばBAPEなんかですとそもそも日本のストリートファッションから出たものですのでそれで良いのかもしれませんが。海外での評価の割に国内のBボーイで着ている人あまり見ないですが、バカ殿&ヤンキーオジサン達はもうS社の方に行ったからそろそろ頃合いですかね。




KODE / KCD × Panzo  インタビュー:東京ブロンクス
KCDに訊くオールドスクール・ファッション史 NY編
KCDに訊くオールドスクール・ファッション史 東京編
オールドスクールファッション対談 KCD✕Panzo

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Mndsgn / Snax

現在ストーンズスロウに所属している人の中で、最も気になるのはMndsgnなんですが、ここに来て無料ダウンロード可能(Name Your Price)なミックステープをリリースしました。

内容を聴けば、80's的なシンセがふんだんに使われた、まさにMndsgnといった感じのトラックに、Wu-Tang、Lil Jon、Nas、Monicaなんかのボーカルを乗せたものになっております。全15曲入りで正直何が乗っているのか分からないものもありますが、自分自身がどれだけ知っているか腕試ししてみたらいかがでしょうかね。

この中でも一番引っかかったのは(気に入ったという意味ではない)Method ManのRelease Yo' Delfでありまして、この曲だけは誰がどう調理しても上手く馴染んだ試しが無い印象ですが、今回も果敢に挑戦し自分色に染めようとしておりますが、なんせクセが強いもんですから...。

ちなみにこちら、レコード(1LP)も販売されるみたいで、すでにレコ屋のサイトにも載っていたりするところもあります。



Mndsgn / Snax

mndsgn_snax.jpg




01. Claim 2 Fame
02. Freekside
03. Do It Like I'm Used 2 It
04. Buddha Fist Style
05. Club Onna Thursday
06. Habitzz
07. Keep It Movin
08. Buttr Grits
09. Damndamndamn
10. Whodatwho
11. DAVIBE
12. Buttery Brwn
13. U & Ya Frenz
14. 1st Nite
15. Les Journey






「Kanye West / YE」 & 「Pusha T / DAYTONA」

先々週からヒップホップ界は大カニエ週間(Pusha Tのリリースも含む)に入りまして、同時にリリースした人達がこのスキャンダラスで先進的な作品の砂埃に巻き込まれ存在が薄くなっているような状況にも見えなくもなく、さすがはカニエだなというのがまず最初の感想であります。

トランプ支持の件から始まり、奴隷制は選択肢だった発言など、一体どうなってんだという非難が集まっておりましたが、それもこれもアルバムでいったい何を語るのか、まてよこれは炎上商法か、いや病気かもという、今回もまた待ちに待ったアルバムという流れを作り出すところがまあ凄いところですよね。

まず特攻隊長Pusha Tのリリースが先行してあり、亡くなったホイットニー・ヒューストンの自宅の荒れたバスルームの写真(900万円程度)をカバーに使用し(カニエがとなっていますね)、ドレイクに結構な攻撃を仕掛けるなど(これはプシャT)話題を独占したところで(人道的にどうなんだという批判を多く見かけた)、さらに畳み掛けるように軍団の御本尊がリリースということで、嫌でも注目が集まっておりました。

曲数はどちらも7曲ずつと少なめでEPのような作りでして、まずPusha Tの方は、全面的に制作に参加したカニエが、彼のリリース毎に期待しておりますあの奇妙キテレツな要素と最新のモードを盛り込み上手いこと作ったという感じで、そこにいつもどおりのネチネチしたラップが乗るんですが、一曲目からあまりに格好良すぎてぶっ飛ばされました。ドラックディーラー出身で現在レーベル社長という立場で、あの猛烈にネチネチした口調で追い込みをかけるなんて、日本の企業だったら即日記者会見レベルの経済893感ビンビンで恐さ満点。

英語が分かる方々の内容についての辛辣な意見も多々見受けられる中、あまり情報を入れず(なんか揉めているという情報を知った程度)に聴いたため、良くも悪くもラップの内容以外をすべて純粋に受け止めた結果、めちゃくちゃ格好良い音楽だなというふうにしか感じられず、こういうこと正直に言って良いのか分かりませんが、まあでも最高だなと思ってしまいました。カバーの写真とかは普通に悪趣味で嫌ですが。何も面白く無いです。

そして、翌週のカニエはメローなトラックが多く、これまた絶妙なカット位置のサンプリングを要所に配した、私程度の人間でもわかる程のちょうど良い先回り感で、良いところに落としてくるバランス感はやはり凄いもんだなと。シンガーの参加が多いというのもありますが、いつもよりエモーショナルにそして意味有りげに聴こえるのは気のせいでしょうかね。(プラシーボだろうか)
実際、分かりもしないのに分かったように書くのもアレなんで、結局音の組み合わせや印象なんかの話になってしまうのですが、まあそれでもやはり内容を聴けばなんとなく空気感は伝わります。

どちらのアルバムもなんですが、どちらかと言うとオーセンティックなヒップホップの形式をとっている感じがしますが、それを新しいものとして聴かせることに成功しており、こういう普遍的なものにフレッシュさを与えるのが1番難しいかもなと思いますし、その空気感を作り出すことに長けたカニエはやっぱり凄いもんだなと感心した次第です。

何週かしたあとこちら池城さんの「YE」の全曲解説(面白かった)を読み勉強させていただきましたが、自殺願望告白からキム・カーダシアンを試しているという話まで、歌詞も歌詞でカニエ節全開のようですね。

ちなみにこの2作品、最初はPusha Tのほうが好きかなと思っていたんですが、交互に行ったり来たりを繰り返しているうちに同じくらい好きになりまして、セットで出したものじゃないかと思うような相性の良さ。まあ、どっちもカニエ作なんで当たり前ですが、サウナ→ 水風呂→ サウナ→ 水風呂...のように、エモーショナル → ネチネチ→ エモーショナル→ ネチネチ...を楽しんだらよろしいかと。チーム戦でアルバム出してくる感じがまた新しいっちゃ新しいのか。




Pusha T / DAYTONA

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Kanye West / YE

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