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Toro Y Moi / 「Outer Peace」 & 「Soul Trash (c) 2019 (Free DL)」

前作から一年半経過している事に驚きましたが、今作もスタイルが変化しております。

先行で公開された「Freelance」は、独特な歌とすぐに覚えられるリフに一発でやられるナイスディスコ曲で、映像の方もドーム型旧iMacとバランスボールが登場する軽いノスタルジーが印象的なものでしたが、その後公開された「Ordinary Pleasure」もまたディスコ風味なダンスミュージックでしたので、その方向性に行くのかなとなんとなく思っていました。

蓋を開けてみればディスコあり、ハウスありといった中に前作に近い遅めの曲を5:4で入れてあるような構成ですが、大幅にダンスミュージックが増えたことによりそういう印象が強くなりました。

いつも通り凄く良いんですが、ヒップホップ的なものを喜ぶ人達の気持ちを察してでしょうか、これとは別に20分超のDJミックスのようなフリーダウンロード可能なwav形式の音源を公開してくれております。

そちらはヨレたギターのトラックで始まり、オーセンティックなヒップホップの感じや、サイケな雰囲気のある曲、ラップが入っている曲もあり、新アルバムのアッパーな感じとは異なるダウナーな雰囲気を出していて、かなり聴き応えのある内容です。こちらはまた別物として必聴かと。




Toro Y Moi / Outer Peace

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Toro Y Moi / Soul Trash (c) 2019 (Free Download)

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James Blake / Assume Form Import

2010年代に入り再び新しい音楽を取り入れ始めた頃、ポストダブステップという響きに惹かれ聴いた1stアルバムの中に、自分の思っていたダブステップが無く、遂に俺はダブステップという大体は感じを知っていると思っていたジャンルすらも、全く分かっていなかったのかとやや不安になった覚えがあります。すぐにその一年前に発売されたCMYKを聴き、ポストダブステップの意味を理解すると共に、あまりのかっこ良さと一年後発売したものの作風の変化に驚いた記憶が。

そうこうしているうちに来日してのライブが有り、比較的静かなライブを想像して行ってみたらめちゃくちゃ凶暴なベースミュージックで一発で伸されまして、その日以来さらに特別な目で見るようになりました。

あれからもう随分経ち、Kendrick Lamar、Frank Ocean、Beyonce、Travis Scott、Vince StaplesなどのUSの主要なアーティストとのコラボを重ねた訳ですが、最初の衝撃から比べると当たり前ですがこなれた感じになって来ておりましたが、今作はグッと梶を切った感じの印象でした。

アルバムを印象付ける2曲目と3曲目にMetro Boomin絡みの曲を置いてあることが結構なインパクトでありまして、現行のサウス系メインストリームヒップホップへ接近して行っているのが分かるわけですが、その2曲目はトラビス・スコット起用でモロに今のUSポップシーンの雰囲気を意識しているように感じます。また3曲目は、そんなサウス+JBのトラックに、昨今注目を集める属性近めのMoses Sumneyが乗るという嬉しい内容に。さらにスペインの歌手ROSALÍA、そしてレジェンドのAndre 3000との変わり種のダンスミュージックなどもあり、少ないゲストながら作品の重要箇所として機能しております。

散々陰鬱なものをやったからでしょうか?それとも女優との交際など私生活が幸せな要素で満ちているからでしょうか?美しさや荘厳さは残しながら全体的に陽な要素が増えた印象となり、ファーストで見せたあの深い谷底のような雰囲気はなくなりはしましたが、これはこれで好きでしたのでじっくり繰り返して聴きたいです。次の作品が一体どうなるのかとても気になるアルバムになったかと。その前にこのアルバムでのライブが見てみたいです。また凄いことになっていそうだなと。

あと、ちょっと気になったところが4曲目なんですが、ネイト・ドッグ好きなんかなとか。




James Blake / Assume Form Import

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mabanua / Blurred

アルバムの聴き逃しや存在を把握したのに忘れるといった事は毎年あることですので、この時期に人様の昨年のベストや振り返りの記事なんかを読み、今更ながらにして知ることも多々あるわけですが、こちらのmabanuaさんのアルバムについても、ジャケも把握していて聴く準備をしていたにもかかわらずすっかり聴き忘れていて、先週中頃ひょんなきっかけでジャケを見て思い出した次第であります。

印象的だったジャケにより、ソウルやジャズが下敷きにある印象のOvallでやっている音楽とはまた違うことをしているのかなと期待して聴いてみたら、エレクトロポップ(シンセポップ)や、フューチャーソウル、バレアリック、AOR、ディスコなどを感じさせる楽曲が中心となった適度なポップ感が大変良い内容で、週末の休み中家族での移動時なんかにずっと聴いておりました。

イントロ後の表題曲「Burrend」は遅くてフワフワしたドリーミーな曲で、良すぎて一周目からいきなりヤラれてしまうのですが、続く和バレアリックの古典「そして僕は途方に暮れる」を下敷きにしたと思わしき「 Heartbreak at Dawn」でも再びヤラれてしまい、その後もこんなに良い曲が続くのか!というのが最後まで持続し、全くもって捨て曲が無い構成となっておりました。

想像していなかった趣味の良いポップな曲の連続に驚かされましたが、ウィキペディアを調べれば米津玄師やCharaからSKI-HIやアイドル関連の仕事もしていたりしているので、そうだよなと納得しましたが、まあそれにしても引き出しも多くて本当に凄く良いアルバムだなと。




mabanua / Blurred

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食品まつり a.k.a foodman / ARU OTOKO NO DENSETSU

エレクトロニカやIDM、ポストロックという括りに入っていた音楽を聴いている時期も随分前にありまして、その時からそういうシーンがどう発展して今に至るのか完全に見失ったので、現在どういった名称で呼ばれ、どういう人達がそれに属しているのかさえよく分かっていない状況なんですが、今でもそういった要素を含んでいたりする音楽に出会ったりすると、あああの時の流れからこれをやっているのか?それともまた新しい流れなのか?と、ジャンル分けが頭の中で出来ないまま、まあ良いかとなんとなく聴いております。(デザインあとか見ていても思う)、

この食品まつり a.k.a Foodmanさんの新アルバム「ARU OTOKO NO DENSETSU」も、自分の中ではジャンル分けがとても難しい位置におり、またあの時代のエレクトロニックミュージックの影響あるのかな?なんて感じておりますが(影響受けてないかもですが)、現在までの道筋を見てみますと、Jukeコンピへの参加や、Boiler Roomへの出演、ラッパーへの曲提供、そして海外からの評価など、縛りがなく破天荒でとても自由に越境して行く感じや、日本外からの評価が高まって行く様子が大分ユニークだなと。

そもそも過去作でも、一般的なビート感だったりで縛れない比較的自由な感じも多数ありましたが、今作もまたドラムやベースの存在をさほど感じさせない(というか無いものもあるか)作りになり、持ち味であります音、構成のユニークさについては変わらずで、若干まろやかになった印象であります。

あまり内容についてあーだこーだとドラマチックに言える語彙力がないためいけませんが、面白いと思える音が一致しておりとても楽しく聴いております。あとこのドラム、ベースの少なさではありますが、本人がダンスミュージックとして捉えているところが良いですよね。

ジャケはもちろん本人作。見た目と内容揃ったトータルで素晴らしい作品だと思いました。仕事、ドライブ、食事などのお供に是非。気持ちよく聴けます。




食品まつり a.k.a foodman / ARU OTOKO NO DENSETSU

foodman_aruotokonodensetsu.jpg







tofubeats / RUN

テレビドラマ版「電影少女」の話を聞き、西野七瀬がヒロインに抜擢されているのを知り、天野あいのモデルとなったと言われている小森愛の陰な雰囲気を考慮した人選じゃない...彼女は笑顔が幸せ過ぎる...と2010年代も終わろうとしているのに、昔見たデラベッピンの思い出と照らし合わせ、今更どうでも良い物足りなさを感じましたし、またここに絡んでくるtofubeatsさんのコミカルで忙しい曲調の「ふめつのこころ」は、あの子供の時ジャンプで見た陰鬱&小エロの雰囲気と合致せず、そのままドラマのことは忘れて行ったわけですが。

とはいえ、前作「FANTASY CLUB」がとても好きだったこともあり、ドラマ曲はハマらなかったですが、この一年の世界の音楽のトレンドを汲んで次は一体どういう感じで来るのか?をこの一年と少しの間とても楽しみにしておりました。

まず、そのハマらなかった「ふめつのこころ」の唐突にエンジンが掛かって心臓に負担掛かりそうな感じが、そこに向かうSkitを用意することにより、助走から本編が自然にスッと入ってくる様になったのがとても良かったですし、最後にはSLOWDOWNというバージョンも用意されており、大好きなベッタリした質感の曲になりこれも大満足。

一曲目のRUNは前作の本命だった一つ「SHOPINGMALLL」を引き継いだような印象で自分的にはこれがメインになる感じであります。ディスコやUKガラージ、アシッドなどのテイストのポップスや結構マジなトーンのダンスミュージックなんかが中盤に入り、後半に遅めで重厚なエレクトロやしっぽり聴かせるのを持ってきておりますが、10曲目「DEAD WAX」なんかはトレードマークのオートチューンを使用していない事にやや驚き、またその物悲しい歌詞や歌唱は思わず小袋成彬を思い出してしまったのですが、好きだったりするんでしょうかね。

自分的には、良いところが残り、またちょうど良い加減で新しいことも追加されといった感じで前作と地続きで聴ける内容だと思いますし、相変わらずインプットしたものを本人らしくポップに表現する上手さは唯一無二のものだなと。しばらく聴いてみたいと思います。




tofubeats / RUN

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